【まとめ③】経営コンサルタントへ転職するステップ ークロージング編ー
こんにちは!
今回は経営コンサルタントになるステップとして、準備・転職活動に続き、「クロージング」についてご説明します。
内定を貰えば転職完了、ではありません。
意外と内定をもらった後に苦労したりもします。
スムーズにコンサルへの転職を果たすため、最後まで是非ご覧ください。
****************************************************
<転職先の決定>
転職活動を進め無事に複数のファームから内定を貰えれば、
その中で自分が入社したいファームを決めることになります。
もともと明確な志望の優先順位があり、悩むまでもなければ簡単にファームを選べるでしょう。
一方で、志望度の高いファームからは残念ながら内定がもらえず、
当初想定から視野を広げて追加的に選考を受けたファームから複数の内定をもらった場合、
どのファームを選ぶか困る場面もあるかと思います。
そんな場合は改めて自分がなぜ転職をしたいのか、転職後に何を求めているのか、見つめ直してみましょう。
糸口になるのは各社へ提出している書類、その中の志望動機かと思います。
それぞれ横並べにして、なぜ各社に入社したかったのか、比べてみましょう。
書類に記載の内容が建前で、実際は「収入が高い」「今後のキャリアの礎として最適」「一緒に働く人の人柄」などの本音が別にあれば、
それも紙に書き出して自分の「会社を選ぶ基準」を表裏なく洗い出しましょう。
この会社を選ぶ基準の中で、最終的に自分が優先する基準はどれかを明確にします。
私の場合、1度目の転職(事業会社からコンサルティングファームへの初めての転職)では「年収」を基準に、
2度目の転職(コンサル→コンサル)では「面接官の人柄」を基準に最後は決めました。
やはり転職のモチベーションとして「年収アップ」は大きな要因です。
私の1度目の転職では2社から内定を貰いました。
この時の2社は大手ファームと中堅どころ、という規模の違いもあり、大手の方が100万円ほど高い年収でのオファー(会社から転職希望者への入社条件の提示)でした。
仕事の内容や、面接官の人柄等も多少違いはありましたが、それぞれ許容範囲であり、年収がキーとなり大手ファームを選びました。
2度目の転職でも2社から内定を貰いました。
この時は2社の年収の差は30万円程度で、年収が低い方のファームに入社(ここが現在の勤め先です)しました。
低い年収でもこのファームを選んだのは、面接官の人柄でした。
前述の通り、コンサルティングファームでは事業会社のような人事部中心の面接と異なり、
面接官は将来自分の所属する部署のマネージャー〜パートナーが行うことが多いです。
つまり面接官が入社後の自分の上司となりえます。
コンサルティングファームの仕事は基本的にチームプレイであり、
「誰と」働くかで自分個人やチームのパフォーマンスや、(褒められた話ではないですが)仕事へのモチベーションは左右されます。
1社目のコンサルティングファームでこのことを学んでいたので、
多少の年収よりは、上司となりうる面接官とのフィーリングを最後は大切にしようと判断しました。
なお年収が2社比較では低いといっても、前職からは上がっているので転職自体に妥協をした感覚はなく、満足いく転職でした。
多くのコンサルティングファームは業容拡大に伴い採用を強化しています。
コンサル経験者は即戦力として特に需要があり、年収もアップするケースが多いです。
なお2回の転職とも、仕事内容は自分の希望した分野でのコンサルティングでしたので、
仕事の内容に関係なく年収や面接官の人柄だけで決めたものではないことを申し添えます。
「自分のやりたいと思える仕事か」「自分の経験が活かせ、バリューを出せる仕事か」という仕事軸がファーム選定の最優先軸かと思います。
****************************************************
<現企業への報告・引き継ぎ>
入社先のファームを決めたら、入社時期を調整・合意し、いよいよ転職の最終ステップです。
現企業へ退社の意思を伝え、自分の今の仕事を引き継ぎます。
飛ぶ鳥跡を濁さず、現企業との禍根は残さないようにスムーズな退社を目指しましょう。
なぜなら、現企業とのコネクションがコンサルタントとしての仕事に活きる場面が多々あるためです。
例えば今は金融機関に勤めていて、これから金融機関をクライアントとするコンサルタントになる場合、
前職の同僚などから非公式で業界の動向など生の情報が得られれば、それはあなたが持つ独自性、優位性となります。
(コンフィデンシャルな内部情報などを無理に入手するなど、コンプライアンス的にNGなことは当然避けましょう)
ですので転職の意思を現企業に伝え、退社時期や引き継ぎの内容、有給の消化日数はどうするか、など論点は多々ありますが、できる限りの範囲で「スムーズな退社」を目指しましょう。
私の場合、2度の転職とも大体退社の2ヶ月前頃に転職の意思を報告し、そこから1ヶ月半ほどかけ引き継ぎ、残り2週間程度で有給休暇を取得、というスケジュール感でした。
2度とも有給は一部残って姉妹ましたが、辞める際に特に揉めることはなく、
今も前職、前々職との付き合いは続いているので、退職は成功したのかなと思っています。
****************************************************
ここまで「内定をもらえた方」へのご説明でしたが、
残念ながら内定を貰えずに転職活動を終えられる方もいらっしゃられるかもしれません。
現在売り手市場と言われるコンサルタント転職ですが、
その時その時で変わるファームの採用方針と志望者のスペックのギャップ、面接官との相性、など転職を希望する側ではコントロールできない要因で不採用となることはやはりあります。
私は1度目の転職活動で不採用が続き、10ヶ月ほどかけてようやく転職することができました。
前述の通り、不採用が続いても、あまり焦らずにコツコツ転職活動を継続するのも良いと思います。
一方で、自分に向いている仕事は他にあるかもしれない、ないしは今の企業でキャリアを重ねよう、
と気持ちを切り替えコンサルへの転職を中断するのも前向きな判断だと思います。
経営コンサルタントを目指し転職活動を行う中で学べることは多くあるはずです。
基礎的な論理的思考力の習得、ケース問題やフェルミ推定などの特訓、面接を経てのプレゼンテーション力、いずれも今後の自分のキャリアの血となり肉となるかと思います。
そして何より改めて自分を見つめ直し、強みと弱みに気づければ、現在の企業あるいは他業種への転職でいかにキャリアを積むか、戦略的な判断と行動ができるようになっているはずです。
決して後ろ向きに捉えることなく、”戦略的撤退”として「あの時コンサルへの転職活動があって良かった」と思えるよう、次に繋げていきましょう!
****************************************************
これにてようやく転職が終わり、いよいよコンサルティングファームへの入社となります。
入社してからの仕事の進め方、入社後に注意すべきこと(特にコンサル未経験の方)など、
経営コンサルタントとして働いていくにあたってのポイントもありますので、またの機会にてご説明します。
今回の記事が、経営コンサルタントに興味を持たれている方や、転職活動に進んでいるものの足踏みしている方など、皆様のお役に立てれば幸いです!